■ 現在の税金状況
土地の固定資産税、都市計画税は上がり続け、
さらに、相続税は仕組みを変えて増税しようとしています。
(基礎控除5,000万円、及び1人1,000万円を加算して算出した
金額を相続人数で割り、実際に受けた遺産からその金額を減算し、
税額を計算する遺産取得課税方式に法改正されます。
現時点では、確定しておりませんが...)
しかし、地価は大半の場所で値下がりし、
売却することも難しくなっている状況です。
そこで、大事なのは土地を所有するだけでなく、
どのように利用するかを考えることです。
有効利用されている土地では、環境が良くなり地価が値上がりし、
有効利用されていない土地では、値下がりを続けている、
という二極化が進んでいます。
■ 現在の賃貸市場
岡山市も2009年4月より政令都市に移行します。人口は70万人となり、
都市のブランド力向上による経済活性化の効果が期待できます。
しかし、賃貸市場においては、量的に余り状況で入居不安が多少あります。
その中で入居率の悪い物件には、問題があるように見受けられます。
例えば、建物が古い、家賃が高い、駐車スペースが1台しかない、
道が狭い、学校が遠い、スーパー・病院が近くにない等といった問題です。
反対に、ずっと入居率が高い優秀な物件もあります。
借主が気に入る条件の整った物件であれば、入居率も高いようです。
賃貸市場においても、完全に競争時代に入り、勝ち残っていかなければ
ならない時代になりました。
■ 定期借地
現在、岡山ではあまり定期借地分譲を聞かなくなりましたが、
関西・関東の都市部では、相当な数が供給されています。
それは、土地を所有しているが、余り借金をしたくない地主様が、
リスクの無い土地の有効利用をしているからです。
又、土地を購入する側も少しでも総額が低く、好条件の物件を希望しています。
今、岡山県で問題になっているチボリ公園も定期借地だと気が付いていましたか?
定期借地のメリットとは、
・ 土地が将来更地で帰る
・ 無税の一時金が手に入る。
・ 税金・相続・固定資産税が安くなる。
・ 分割しやすくなる。
・ きれいな街づくりが出来て将来値上がりも期待できます。
今回の土地活用例は、財産の内訳の大半が土地で現金をあまり使いたくないが、安全で安心な土地の有効活用をしたい方にお勧めした複合土地活用の例です。
◆提案内容
・ 定期借地権分譲
・ 賃貸物件の建設
・ 共同分譲(売却)
以上を複合させることにより、借入リスクを最小限に抑え、長期間安定した高収益が
得られ、しかも税金対策にもなる無理の無い安心な土地活用計画になりました。
◆対策前
・ 相続税評価額:約3億円
・ 相続税:約6,000万円
◆対策後
・ 相続税評価額:約1.4億円
・ 相続税:844万円
◆収入
・ アパート家賃+地代収入:83.8万円/月
・ ローン支払い:33万円/月
・ 単純手残り:50.8万円/月
・ 年間収入:約600万円
・ 限界入居率:40%
※入居率40%までは黒字
◆資金計画
・自己資金:0円
但し、共同分譲地売却代、定期借地保証金(約3,000万円)を
自己資金として、造成費・アパート建築費に充当します。
◆相続税評価額
道路部分を市へ寄付することにより、相続税評価額を0円と出来ます。
また、アパート用地については、貸家建付地評価減により相続税評価額を85%、
定期借地については、借地権割合により相続税評価額を65%とすることが
できます。(但し、借地権割合やその他条件により相続税評価額は変ります。)
◆その他優遇税制
土地を売却すると譲渡所得税は、
1. 土地の所有期間が5年以内の場合で税率が39%(住民税 9%)、
2. 土地の所有期間が5年を超える場合で税率が20%(住民税 5%)
のようになりますが、共同分譲地として売却することにより、
優良住宅地の軽減税率の特例が使用でき、売却所得の2,000万円以下の
部分については、税率が14%(住民税 4%)となります。
(但し、優良住宅地の軽減税率の特例の要件を満たした場合です。)
尚且つ、アパートの建築完成時に共同分譲地を売却することにより、
損益通算を受けることが出来ます。
その他、売却地が事業用として認定されれば、事業用の買替え特例を
受けることが出来ます。