土地や建物を購入した際に所有権はいつ購入者に移るのでしょうか?
売買契約を交した日でしょうか?それとも所有権移転登記が完了した日でしょうか?
その答えは、民法の第176条に定められています。
第176条(物権の設定及び移転)
物権の設定及び移転は、当事者の意思表示のみによって、その効力を生ずる。
(物権とは、占有権、所有権、用益物権、担保物権のことです。)
簡単に言うと、口約束だけでも、双方の意思表示のみで所有権は移転する
ということです。ですから、民法上は、売買契約日に所有権は移転します。
しかし、この規定では、売買契約日に決済する場合なら問題ないですが、
後日決済をする場合だと問題があります。売主Aは、売買代金を買主から
貰っていないのに所有権を失うことになるからです。ですから、売買契約書に
所有権移転登記の時期等の条件を明記して問題がおこらないように対応しています。
それでも当事者(売主A、買主B)間では、あくまでも民法通り売買契約日に
所有権が移転します。(停止条件付売買契約の場合は、除きます。)
ただ、所有権移転登記が完了するまでは、第3者(当事者以外)に対して所有権を
主張できない状態にあり、所有権移転登記が完了してから、初めて第3者に対して
所有権を主張することができます。
ここで、よく勘違いされている人がいますが、登記簿で売買により、
○○さんから××さんに所有権が移転されているからといって、○○さんと××さんが
売買契約を交したということにはなりませんし、現在の所有者が××さんである
ということにはなりません。(登記には、公信力がないからです。)
あくまでも、××さん以外の人が所有権を主張した際に、それに対して××さんが
対抗できることを示しているにすぎません。
特に、近年では中間省略類似の登記での売買契約ができるようになりましたので、
所有権と登記簿が一致していない状況が今まで以上に出てくると思います。
私たち不動産業に関わる者としては、今まで以上に注意深く物件調査をしていく
必要があります。
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