2008年12月12日、2009年度の税制改正大綱が公表され、
冒頭に今改正の基本的考え方が書かれており、日本経済は既に景気後退局面に
入っている、との認識のもと、高まる景気の下振れリスクに対して内需を
刺激することで不況から国民生活を守り、3年間で景気回復への道筋をつけたい、
という決意が示されています。
その中に住宅ローン減税の「5年延長」が盛り込まれました。
それにより、国土交通省は住宅投資を活性化させる起爆剤としての
効果があり、経済波及効果が年間およそ4兆円、21万人の雇用創出が
可能と試算しています。住宅産業は、すそ野が広いだけに「減税」という
インセンティブを与えて、消費者の購入意欲を喚起することで、停滞する
住宅市場を販売不振の渦から救い出し、同時に景気回復にもつなげたい
と目論んでいます。実際、国税庁の「民間給与実態統計調査」(平成18年)に
よると、住宅ローン減税を受けた給与所得者数は、285万839人だそうです。
金額にすると、平年で年間4500億円程度の税金(所得税)がサラリーマンの
もとへ還付されています。マイホーム購入者が住宅ローン減税に強い関心を
寄せるのも納得できます。
しかし、住宅ローン減税の延長・拡充を最も喜んでいるのは、
マイホーム購入者(買い手側)ではなく、住宅販売業者(売り手側)です。
はたして、2009年以降、住宅ローン減税はどうなるのか?
―― 以下、詳しく説明させて頂きます。――
■ 税制改正で最大控除額は160万円から500万円へ
今回、特筆すべきは「一般の住宅」と「長期優良住宅」で減税内容に差が
生じている点です。
長期優良住宅とは、構造の耐久性や耐震性・メンテナンス性などに優れた
住宅のことで、いわゆる「200年住宅」のことです。
関連法案(長期優良住宅の普及の促進に関する法律)が施行されていない段階で、
住宅ローン減税の減税幅だけが先行して決められているのは“フライング”ですが、
裏読みすれば政府としては、それだけ早急に200年住宅を普及・促進させたい
考えなのでしょう。
居住年に応じた控除率や最大控除額は次の通りです。
一般住宅 |
||||
居住年 |
控除対象となる年 未残高の限度額 |
控除期間 |
控除率 |
最大控除額 |
2009年 |
5000万円 |
10年間 |
1.0% |
500万円 |
2010年 |
||||
2011年 |
4000万円 |
400万円 |
||
2012年 |
3000万円 |
300万円 |
||
2013年 |
2000万円 |
200万円 |
長期優良住宅 |
||||
居住年 |
控除対象となる年 未残高の限度額 |
控除期間 |
控除率 |
最大控除額 |
2009年 |
5000万円 |
10年間 |
1.2% |
600万円 |
2010年 |
||||
2011年 |
||||
2012年 |
4000万円 |
1.0% |
400万円 |
|
2013年 |
3000万円 |
300万円 |
誰もが最大控除額を受け取れるわけではありませんが、
2008年入居の場合の最大控除額が、160万円だったことと比較すると、
500万円~600万円(2009年・2010年入居)という金額は
実に魅力的に思えます。
加えて、2009年以降は新たに住民税からの控除制度もスタートします。
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