1 特例の概要
遺産の中に住宅や事業に使われていた宅地等がある場合には、その宅地等
の評価額の一定割合を減額する特例があります。
これを小規模宅地等の特例(小規模宅地等のについての相続税の課税価格の
計算の特例)といいます。
この特例を受けられる人は、相続や遺贈によって宅地等を取得した個人です。
2 特例の対象となる宅地等
この特例の適用を受けられる宅地等は、個人が相続や遺贈により取得した宅地等で、
次のすべての要件に該当するものです。
ただし、郵政民営化法の施行日(平成19年10月1日)前から被相続人、又は
被相続人の相続人と旧日本郵政公社との間の賃貸借契約に基づき、日本郵政公社に
貸付けられていた郵便局舎の敷地に使用されている一定の宅地等で一定の要件に
該当するものは、特定事業用宅地等としてこの特例の適用を受けることができます。
(1) 相続開始直前において、被相続人、又は被相続人と生計を一にしていた
被相続人の親族(以下「被相続人等」といいます。)の事業の用、若しくは
居住の用に供されていた宅地等であること。
この場合の事業とは、事業と称するに至らない不動産の貸付け、その他これに
類する行為(準事業といいます。)が含まれます。
(2) 建物又は構築物の敷地の用に供されていた宅地等であること。
(3) 棚卸資産及びこれに準ずる資産に該当しない宅地等であること。
(4) 各人が取得した宅地等のうち、この特例の適用を受けるために選択した
宅地等が限度面積までの部分であること。
但し、この特例の適用を受けることができる宅地等を取得した人が、
2人以上であるときは、その宅地等を取得した人全員の同意が必要です。
この場合の限度面積とは、その選択した宅地等の利用状況等により
次のようになります。
イ 選択した宅地等が、特定事業用宅地等、特定同族会社事業用宅地等
(以下「特定事業用等宅地等」といいます。)である場合
・・・・・ 400平米
ロ 選択した宅地等が、特定居住用宅地等である場合
・・・・・ 240平米
ハ 選択した宅地等が、特定事業用等宅地等及び特定居住用宅地等以外の
特例の対象となる宅地等(以下「特例対象宅地等」といいます。)である場合
・・・・・ 200平米
ニ 選択した宅地等すべてが、特定事業用等宅地等、特定居住用宅地等及び
特例対象宅地等である場合は
・・・・・ 400平米 と 特定事業用等宅地等+特定居住用宅地等
×5/3+特例対象宅地等×2 とで小さい面積
(5) 特例の適用を受けようとする宅地等が相続税の申告期限までに
分割されていること。
但し、その宅地等が申告期限までに分割されていない場合であっても、
次のいずれかに該当するときは、この特例の適用を受けられます。
イ 相続税の申告期限から3年以内に分割された場合
ロ 相続税の申告期限から3年を経過する日において分割できないやむを得ない
事情があり、税務署長の承認を受けた場合で、その事情がなくなった日の
翌日から4か月以内に分割されたとき
但し、上記の場合には、遺産分割が行われた日の翌日から4か月以内に
税務署長に対し、更正の請求書を提出することができます。
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